指輪、ネックレス、腕時計、ブランドバッグ。遺品のなかで、もっとも価値が残りやすいのが貴金属とブランド品です。金やプラチナは、壊れていても素材そのものに相場があります。
ただし同時に、もっともトラブルが多い品目でもあります。このページでは、刻印の見方と付属品の確認に加えて、「押し買い」と呼ばれる訪問購入から身を守る方法までお伝えします。
価値があるものだからこそ、誰に、どう渡すかが重要になります。急がず、比べてから決めてください。
貴金属がほかの遺品と違うのは、ここです。
切れたネックレス、片方だけのイヤリング、変形した指輪。デザインが壊れていても、金やプラチナである限り、素材としての価値は残ります。「壊れているから捨てる」という判断が、いちばんもったいないケースです。
対象になりうるもの:指輪/ネックレス/ブレスレット/イヤリング/ブローチ/金歯/記念コイン/仏具(金メッキでないもの)/メガネのフレームなど
金歯やメガネのフレーム、仏具など、装飾品に見えないものに貴金属が使われていることがあります。判断がつかないものは、まとめて見てもらうのが確実です。
小さな刻印が、素材を示しています。虫めがねがあると見つけやすくなります。
| 刻印 | 意味 |
|---|---|
| K24 / 999 | 純金(24金) |
| K18 / 750 | 18金。金75%。ジュエリーで最も多い |
| K14 / 585 | 14金。金58.5% |
| K10 / 417 | 10金。金41.7% |
| Pt900 / Pt850 | プラチナ。900は90%、850は85% |
| SV925 / SILVER | 銀(スターリングシルバー) |
| GP / GF / K18GP | 金メッキ・金張り。素材としての価値は大きく下がります |
指輪なら内側、ネックレスやブレスレットなら留め具の近く、ピアスならポストの部分に刻まれていることが多いです。摩耗して読めないこともありますが、その場合も査定で判別してもらえます。
電池切れ、止まっている、ガラスが割れている――そうした状態でも、ブランドや機種によっては評価されます。「動かないから捨てる」の前に確認してください。
ただしご自身で電池交換や修理に出すのは避けてください。費用が買取額を上回ることや、正規でない修理が評価を下げることがあります。
時計もバッグも、付属品の有無が評価に影響します。押し入れやタンスの奥も探してみてください。
革のバッグを自分でクリーニングしたり、クリームを塗ったりしないでください。かえって傷むことがあります。金属も磨かず、そのままの状態で査定に出してください。
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貴金属は、訪問購入のトラブルが特に多い品目です。国民生活センターにも相談が寄せられています。
「不要な洋服を買い取ります」と電話や訪問で持ちかけ、家に上がってから貴金属を出すよう求める——という形が知られています。断りにくい雰囲気をつくり、安い価格で強引に買い取っていく手口です。
遺品整理の最中は、家に物が多く、判断も追いつきません。そこを狙われることがあります。
業者が訪問して買い取る「訪問購入」は特定商取引法の規制対象で、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、契約を解除できます。
さらに、クーリング・オフ期間中は、業者に物品の引き渡しを拒むことができます。「もう渡してしまった」場合でも、期間内なら返還を求められる可能性があります。
まずは消費者ホットライン「188」にご相談ください。相談は無料です。
当サイトで案内しているのは、ご自身の意思で申し込み、日時を決めて来てもらう出張査定です。一方、頼んでいないのに訪問してくる、電話で勧誘してくるのが押し買いです。
頼んでいない訪問には、玄関を開けない・家に上げないのが最も確実な対策です。
現金や不動産と同じく、貴金属・宝飾品・ブランド品も相続財産に含まれます。相続税の申告が必要になる場合は、これらも財産として計上する必要があります。
相続人が複数いる場合は、誰がどれを引き継ぐか、売却するならその代金をどう分けるかを、事前に話し合っておくことをおすすめします。あとから揉めやすい品目です。
遺品を売却すると「相続を承認した」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。とくに貴金属は財産的価値が明確なため、影響が大きくなります。故人に借金がある可能性がある場合は、弁護士・司法書士にご相談ください。
貴金属は業者による評価差が出やすい品目です。1社で決めないでください。
このページについて
刻印に関する記述は貴金属の一般的な表示規格にもとづくものです。買取価格に関する記述は価格を保証するものではなく、評価は品物の状態・時期・依頼先および相場によって変動します。
・訪問購入のクーリング・オフについて/特定商取引法(消費者庁)
・訪問購入に関する相談事例、消費者ホットライン188/独立行政法人 国民生活センター
・相続財産・相続税について/国税庁 ・相続放棄について/法務省
※ 制度の詳細は各公的機関の公式情報をご確認ください。個別の判断は専門家にご相談ください。