遺品整理そのものに、法律で決められた期限はありません。気持ちの整理がつかないうちは、無理に始める必要はないのです。
ただし、遺品整理の周辺にある手続きには、はっきりした期限があります。とくに相続放棄の3か月は、知らないまま過ぎてしまうと取り返しがつきません。このページでは、期限のあるものを一覧にしたうえで、持ち家・賃貸・遠方など状況別に、いつ始めるのが適切かを整理しました。
「早く片付けなければ」と焦る必要はありません。ただし、期限があるものだけは先に確認してください。順番を間違えなければ、慌てずに進められます。
まず、ここを押さえてください。焦る必要のない部分と、急ぐべき部分を分けて考えます。
法律上の決まりはありませんが、四十九日の法要が済んだころに始める方が多いとされています。親族が集まる機会でもあり、遺品の扱いについて話し合いやすいためです。
遺品に触れること自体がつらい時期もあります。持ち家で、期限に追われる事情がないのであれば、無理に急ぐ必要はありません。数か月、あるいは一年たってから始める方もいます。
遺品整理は急がなくても、これらは期限内に動く必要があります。日付を確認して、カレンダーに書いておくことをおすすめします。
| 手続き | 期限 | 内容 |
|---|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 3か月以内 | 相続の開始を知った時から。借金を引き継がないための手続き。最重要 |
| 準確定申告 | 4か月以内 | 故人に確定申告が必要な所得があった場合 |
| 相続税の申告・納付 | 10か月以内 | 相続税がかかる場合。遅れると加算税が生じることがあります |
| 相続登記 | 3年以内 | 不動産の名義変更。2024年から義務化されています |
| 年金の受給停止 | 10〜14日以内 | 厚生年金は10日、国民年金は14日が目安。放置すると返還が必要になることがあります |
| 健康保険証の返却 | 14日以内 | 市区町村または勤務先へ |
| 賃貸住宅の退去 | 契約による | 片付かない間も家賃が発生し続けます。実務上いちばん急ぐ要因 |
相続放棄の3か月は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から数えます。事情によって起算点が変わることがあるため、判断に迷う場合は弁護士・司法書士にご確認ください。
遺品整理と直接関わる、いちばん怖い落とし穴です。ここだけは必ず読んでください。
故人に借金がある可能性がある場合、遺品を処分したり売却したりすると、「相続を承認した」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。
「片付けただけ」のつもりでも、財産的な価値のあるものを処分すれば、その対象になり得ます。借金や連帯保証の有無がはっきりしないうちは、片付けを始める前に弁護士・司法書士にご相談ください。
借金の有無は、郵便物(督促状・カード会社からの通知)、通帳の引き落とし履歴、契約書類などから手がかりが得られます。これらは捨てずに保管してください。
ご事情によって、急ぐべきかどうかが変わります。近いものを参考にしてください。
いちばん急ぐケースです。片付かない間も家賃が発生し続けます。管理会社に退去予定日を確認し、そこから逆算して日程を組みます。物量が多い場合、業者の予約が取れるまで時間がかかることもあるため、早めに見積もりだけでも取っておくと安心です。
急ぐ必要はありませんが、放置すると傷みが進みます。また、売却や賃貸に出す予定があるなら、その時期から逆算して考えます。固定資産税も発生し続ける点は頭に置いておきましょう。
何度も通うのは負担が大きいため、数日まとまった日程を確保して一気に進めるか、業者に任せる形が現実的です。立ち会いなしで対応してくれる業者もありますが、その場合は貴重品の扱いを事前に取り決めておきましょう。
後から「勝手に処分した」と揉めることがあります。着手前に、誰が何をどう扱うか、費用は誰が負担するかを話し合っておくことをおすすめします。形見分けの希望も、この段階で聞いておくと安心です。
いきなり片付け始めるのではなく、この順番で進めると手戻りがありません。
上の表を見ながら、ご自身に当てはまるものの期限日をカレンダーに記入します。ここが出発点です。
着物・骨董・貴金属・カメラなどは、処分する前に確認しておくと後悔がありません。先に査定に出せば、処分する物量が減って費用も下がります。
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参考にした情報
・相続放棄・限定承認の期間(民法)/相続登記の義務化について/法務省
・準確定申告、相続税の申告と納税/国税庁
・年金受給者が亡くなったときの手続き/日本年金機構
※ 期限の起算点や適用条件は個別の事情によって異なります。実際のご判断は、弁護士・司法書士・税理士等の専門家にご相談ください。制度は改定されることがあるため、最新の内容は各公的機関の公式情報をご確認ください。